調査結果報告、研究論文に関する調査委員会です。
調査の概要ですけれども、第 1 回目の委員会が 9 月 22 日に開かれました。それから、第 15 回が 23 日なんですけどもその後もいろいろやり取りをしてまして、一応、24 日までやったということになっています。調査対象論文はいわゆる STAP 論文と呼ばれている Nature の論文 2 つですね。Article と Letter、それとその後出された Protocol Exchange、皆さんご存じだと思いますけどもこの 3 つです。それから調査対象者は小保方さん、若山さん、丹羽さんのこの 3 人です。笹井さんは亡くなられたので外しました。この調査の研究不正の定義なんですけども、結局、この調査は研究不正があるかどうかという調査委員会です。で、理研の規程にのっとって行なわれていますので、理研の規程では不正の、研究不正の定義はねつ造・改ざん・盗用ということになっています。で、研究不正かどうかというのは、この件に関して行ないました。他の問題は研究不正としては扱いませんでした。調査結果です。結論を申しますと、科学的検証の結果について、STAP 幹細胞とFI 幹細胞というものがあるんですけれども、これは後ほどご説明しますけれども、残存試料を調べた限りでは全て ES 細胞に、既存の ES 細胞に由来していた。それから、キメラマウスですね、STAP 細胞から作ったキメラマウスとテラトーマもその可能性が非常に高い。故意か過失か、誰が行なったかは、決定できない。私は科学者なので、こう書きましたけども、弁護士の先生によると、誰が行なったかを先に決めて、その後で故意か過失かを決めるのが、弁護士の先生の常識だそうです。それから、公開データ、論文に出た、ChIP-seq や RNA-seq ですね、DNA や RNA の塩基配列のデータがあるわけですけれども、それを調べた限りでは登録内容と実際にサンプルを調べた結果、サンプルやデータを調べた結果では、登録された細胞株とマウス系統と実際のものが異なっているものがいくつかあると。で、その責任は試料を渡した小保方氏と思われるが、違っている理由は故意か過失かは決定できない。それから論文の図、これは非常にたくさんの疑義が持ち上がりまして、報告書を読めばほとんど全てのこと書いてありますけれども、その中で 2 つの図、細胞増殖曲線とDNA メチル化実験に関して、小保方氏によるデータのねつ造を認定しました。若山氏と丹羽氏に関しては、研究不正と調査委員会として認定できるものはなかった。これが結論です。結論を先に申しましたけれども、以下をご説明したいと思います。
まず、これ、科学者の皆さんは既にご存じだと思いますけれども、Nature 論文の概要ですけれども、Article の論文ではリンパ球のような分化した細胞が酸処理で多能性を獲得すると。多能性を獲得するというのは、皆さんご存じだと思いますけども、その細胞がどんな細胞にでもなれると。そういう能力を獲得するということです。それを英語で Stimulus Triggered Acquisition of Pluripotency と言いまして、頭文字をとって、STAP と名付けたわけです。実験としては、脾臓を主に使ったのは脾臓です。脾臓を取り出してばらばらにしてリンパ球の分画をとってきます。それを精製してから酸処理をして、これを STAP 細胞用の培地でですね、わりと特殊な培地なんですけども、7 日間培養します。7 日間培養すると STAP 細胞ができるんですけども、このSTAP 細胞は細胞が固まったものです。で、しばしば STAP 細胞塊と呼ばれています。これ自体は、発生の初期の遺伝子の発現しているとか、そういうことが報告されているので、何か初期化されたのではないかと言われていますけれども、これ自体は増殖はしないんですね。ほとんど増殖しないでそのまま置いておくと死んでいってしまう。したがって、そのせいかどうか知りませんけれども、STAP 細胞塊の試料は残されていませんでした。で、残されていた試料というのはですね、一つはキメラの試料です。で、STAP 細胞塊をマウスの初期胚に注入しますと、初期胚の細胞と混ざって、STAP 細胞塊として、入れた細胞と元からあった細胞が混ざったキメラのねずみができる、マウスができると言われています。(0:10:00)
で、この場合、STAP 細胞の方で GFP 遺伝子ですね。すべての細胞で、ほとんどの細胞でですね、発現するGFP の遺伝子を入れておきますと緑色に光るので、注入した STAP 細胞に由来するか、初期胚の細胞に由来するかが区別できます。で、これが普通のキメラですけれども 4N キメラという特殊な技術がありまして、これは初期胚を 4 倍体にしておきます。4 倍体は個体に発生できないので、注入した細胞のみからできる、マウスができて、この場合は体中の細胞が注入した細胞からできるマウスができると。これによって、緑色の細胞は注入した細胞なのでそれが筋肉になっていたり、神経になっていたり、皮膚になっていたり、あるいは、生殖細胞になっていたりすれば、それで多能性の証明ができるということです。
次にもう一つの証明の方法がありまして、STAP 細胞塊をですね、ES 細胞になるような培地で培養しますと、STAP 幹細胞というようになります。これは ES 細胞様のものです。実は ES 細胞というものからキメラマウスを作りますと、これは、ES 細胞というのは胎児にはなるんですけども、胎盤には入りません。でこれとは別にですね、既存の知識として、ES の他に TS 細胞というものが知られています。この細胞は胎児にはなれなくて、胎盤の方になれるという細胞です。それで STAP 細胞は TS 細胞を作るような培地で培養しますとTS 細胞様の細胞になると。これを FI 幹細胞と Nature の論文では呼んでいます。Nature の論文の Letter の方の主な結論は STAP 細胞は ES 細胞様にもなるし、TS 細胞様にもなるので、何か非常に特殊な細胞なのではないかと、これが結論です。(0:12:34)
我々が調べた試料ですけれども、理研に残された細胞の中で STAP 幹細胞だと思われるものは 3 種類ありました。FLS, GLS, AC129 とこの 3 種類ありました。FLS は 8 株とか、CTS は 4 株とか、残っていたのがですね、いろいろあるんですけれども、その中でここで書いてあるのは FLS 3 番と CTS 1 番と AC129 の 1 番は次世代シーケンサーを使って、全塩基配列を調べました。(CTS と言ってますが、GLS の誤りのようです。)それから、FI 幹細胞に関しては CTS というのが残っていました。で、これは GFP としては、CAG-GFP が入っているとされているものです。論文でもう一つ、Oct4-GFP が入っているという FI 幹細胞が報告されているんですけれども、これは小保方研にも若山研にも STOCK がありませんでした。それから、実験記録を調べた限りでは作成されたという証拠が見つかりませんでした。実は作成されなかったという証拠もないんです。ですから、この細胞に関しては謎になっています。結論を言いますと、この FLS に関しては、これは既に発表したので皆さんご存じだと思いますけども、CAG-GFP が 18 番染色体に入ってるものではなくて、Acr-GFP というのと CAG-GFP が 3 番染色体に共挿入されていると、そういうものでした。で、CTS と呼ばれている FI 幹細胞も、これも同じ遺伝的背景を持つ Acr-GFP と CAG-GFP とが挿入されているものでした。それから、つまり、どれとどれが対応するっていうんですけれども、この 2 つは、FES、 探したところ、FES1 昔若山研にいたメンバーが作った ES 細胞とほとんど同じだということが分かりました。それから実は、理研が調査したをときに、小保方研に残っていた由来不明の細胞株 129/GFP ES ってのがあるんですけれども、これを調べたところ、これが FES1 とほとんど同じということが分かりました。GLS1 に関しては、これは Oct4-GFP を持つ、STAP 幹細胞ということでしたけれども、Oct4-GFP を持つということに関しては正しかったです。ただ、これを作る前に若山研で別の実験計画で同じマウスから GOF-ES と呼ばれる ES 細胞が作られていました。それで GLS と GOF-ES とを調べたら、この 2 つはほとんど同じで、GOF-ES の方が早く樹立されているので、GOF-ES が混入して GLS になったんだろうと、そういうことがこの委員会の結論です。それからAC129-1 というのは、これは、FLS とは違って、FLS はマウスのバックグラウンドが 129B6F1 というものです。マウス系統でここで出てくるのは 129 というマウスと B6 というマウスですね。それの雑種第 1 代なんですけれども、それだけじゃなくて、他のマウスからもできるかもしれないということで、129 というマウスのSTAP 幹細胞を作ろうとした。で、これは CAG-GFP がホモ接合体で入っている、そういうマウスから作りました。ところが、この幹細胞、STAP 幹細胞というのを調べてみたら、129 ではなかった。129B6F1だということが分かりました。それで、実は、FLS のコントロールとしてですね、若山さんが FLS が STAP 幹細胞で、じゃあ、同じ遺伝的背景からなる ES 細胞とどう違うのかというのを調べるために、若山さんが 129B6F1 の ES 細胞というものを作りました。で、その細胞と、の、いくつか作ったんですけども、その細胞の一つとAC129-1 というのがほぼ同じだということが判明しました。そういうことで、ここに書いてある通りですけれども、三種類の STAP 幹細胞と一種類の FI 幹細胞が三種類の ES 細胞と同じだということが分かりました。(0:17:46)
で、どうやって、決めたかということですけども、これ、マウスの染色体一つだけ取り出してありますけれども GFP 融合遺伝子から作った、こういうマウスから作った STAP 幹細胞の塩基配列調べたらこんなだったということが、例えば分かったとします。で、欠失変異とか、親のマウスに無かったんじゃないかといわれる変異があったり、あるいは、SNP と呼ばれる、マウスに特徴的な SNP が変わっていると。これは後からできた変異ではないかと思っていたんですけれども、そういうものもたくさんあるようです。ところが、ES 細胞をいろいろ探してみたら、これとそっくりなのがあったと。そうなると、これはマウスから作られたのではなくて、ES 細胞が混ざったんだろうと、こういう結果になりますね。ところが同じマウスから作った ES 細胞が別にもあったと。そうするとこれは何だったんだろうと。一つの可能性はマウスが元々不均一だったと。そういう可能性もあります。それからもう一つは ES 細胞ができるときに変異が入ったということもあります。で、この二つの可能性を並行して検討していって、我々の中では、この欠失変異は元からあったんだろう、この欠失変異は新たにできたらしいとか、いろいろ調べました。結論としてはですね、最終的には次世代シーケンサーで塩基配列全部調べて、ほぼぴったり同じだったら、これは同じだろうと。そこが決め手となったと思います。(0:19:32)
まず最初に FLS と CTS に関しては、特徴的な、共通の特徴がありまして、これは 129 の雌に B6、Acr-GFP と CAG-GFP を 3 番に挿入してある(???GFPX)を掛け合わせたものだということが分かりました。で、これは、もちろん、若山さんが渡したマウスとは違うわけですね。それで特徴なのは、その Acr-GFP の部分が ES と FLS、CTS で全く同じというだけではなくて、SNP として 6 番、11 番、12 番にいくつか SNP があります。ただ、これはどうも元のマウスの不均一性のせいらしいと。欠失に関しては、B6 の、えーと、 何番ですか。3 番ですね。B6 の第 3 染色体と 129 の 8 番染色体に欠失があるんですけれども、これは既存の B6 や129 のマウスを調べましたけども、調べた限りはないと。どうも新しく入ったんじゃないかと我々は思っています。えーっと、これは、あの、いろいろな塩基配列を、全塩基配列を決めたやつですけども、マウスの塩基配列、約 30 億塩基対ですけれども、129 と B6 で違うところが、まぁ、これは、認定の仕方によって違うんですけども、大体 300 万ぐらいあると言われています。300 万ぐらいの SNPs がどのように分布しているのかというのを調べたので、これは肌色が B6 で、のホモで、ブルーが 129 のホモ、緑が 129 と B6 が一つずつと、そういうことですけれども、この 4 つですね。FLS と CTS と FES1 という ES 細胞、それから正体不明の細胞、この 4 つがほぼ同じだということです。これ、比べてやりますと、FES と FES1 と FES2 って、独立に同じマウスから作った、ES 細胞で違うところだけ、2 万 4 千いくつか調べていますけども、まぁ、細かい違いを見るためにですけども、それを調べてみても、CTS と FLSと、CTS と FES1 は、99 点何パーセント同じだと。で、まぁ、あの、これ、全然別の同じようなマウスから作った幹細胞の ntES G1 と G2 が似てるっていうのが出てますけども、それはあまり気にしないで下さい。99 点何パーセント似てるっていうのは、あの、1 箇所の変異っていうのは滅多にできないですね。ここ場所で。ところが 30 億あるとそれを飼っていると、30 億の中では DNA が複製されるたびにいくつかできたりするわけです。そういうことで 100 パーセント一致というのはあり得ないですけれども、細胞飼っている限り。あの、これでほぼ一致したと思っています。次にですね、別の STAP 幹細胞 GLS1 は、同じマウスから作った GOF-ES という ES 細胞と非常に似ていると。で、マウスの背景は B6 であると。GFP は、Oct4-GFP で同じ所に挿入されていて、周辺の配列がやや不規則なんですけれども、そこも同じだと。性別が雌で、これ非常に特殊な雌なんです。何故かというと X 染色体の片っぽが非常に異常だと。どんなふうに異常かっていうと、これは X 染色体の、次世代シーケンサーにかけて、そこのクローンが、あの、DNA クローンがいくつ検出されたかっていうので、そこの部分が何コピーあるのかという、細胞の中に調べてます。それで、この一番下に 2 コピー書いてあるのから左の方を少しあるんですけども、この部分は二つあると。で、真ん中の狭い部分が 3 つあると。そこから右の方が一つしかない。というのは、これの解釈ですけれども、正常な X 染色体が一本と非常に大きな欠失もつ染色体で、末端に逆位反復配列。その 3 コピーと 1 コピーの間の配列を見るとこんなふうに、右へいってから左へいくと、こう繋がっていることが分かりましたので、こういう非常に特殊な染色体を持っていると。こういう染色体というのは、マウス???ですと、どんどん不利ですから。無くなっていくはずなので、こういうものはマウス集団の中で拡がるはずがない。拡がってもすぐ消えてしまうはずだというので、おそらく、ES 細胞作ったときにできたものだと非常に特したものです。次に AC129 ですけども、これは調べて、かなり複雑でした。若山さんが作られたのは 1 番から 6 番まであるまであるんですけれども、最初 1 番というのを次世代シーケンサーにかけたところ、6 番染色体の(えーとすいません、6 番ですね)、6 番染色体、第 6 染色体の真ん中あたりに B6 ホモの部分がありました。つまり、これは、えーっとここで使った B6 のマウスが 6 番染色体の真ん中辺に 129 の染色体の部分を持っているということです。実はこれを調べてみたら、受精卵 ES 6 番というのと AC129 は似てたんですけれども、この、ピンクの部分の右側はちょっと違いますね。これは同じじゃないっていうんで、丁寧に調べました。丁寧に調べたところ、実は 6 番じゃなくて、受精卵 ES の 1 番というのが、何から何まで AC129 とそっくりだった。それから、論文には載ってないんですけれども、若山さんが、小保方さんに指導を受けて作った STAP 細胞というのがありまして、若山さんはその STAP 細胞からSTAP 幹細胞も作っています。それが FLS-T1 と T2 というのですけども、これも 受精卵 ES と同じだった。ですから、この 4 つの STAP 幹細胞は受精卵 ES と由来と、ここにいろいろ書いてありますけども、あらゆる点で同じなので、これ由来だと判断したということです。それで 3 種類の STAP 幹細胞と 1 種類の FI 幹細胞が ES 由来だということです。
次にキメラですけども、2N キメラで生殖細胞まで、あのぅ、STAP 細胞由来の細胞が入ったので、それの子どもをとったというのが、作ったというのが Nature に記載されています。で、STAP、2N キメラの子どもですね、左の下に書いてありますけどもカルスキメラ仔 1、カルスキメラ仔 2 て、9 番までありますけども、昔の若山研では、STAP 細胞のことをアニマルカルスと呼んでいたので、これは STAP 細胞からできたキメラの子どもだということです。この子どもの、に、FES1 の特徴的な 8 番染色体と 3 番染色体の欠失変異があるかを PCR で検出したところ、まぁ、子どもなんで、あるものにあってあるものにはないってのは当然なんですけども、あるものが発見されました。それから、Acr-GFP の挿入部位のところに特徴的な塩基配列をみて、PCR で検出したところ、これも見つかりました。したがって、このキメラの元は、FES1 という ES 細胞に由来するということが、確率が非常に高いだろうと思います。(0:28:30)
一番実験的に苦労したのは、実際実験やったのは理研の人たちなんですけども、苦労したのはテラトーマです。テラトーマは何故注目したかというと、STAP 細胞の場合は、STAP 幹細胞の場合は、STAP 細胞は小保方さんが作って、基本的には STAP 幹細胞は若山さんが作ったと。キメラも、小保方さんの STAP 細胞をもらって、若山さんがキメラを作ったと。ところがテラトーマは全部小保方さんが作ったということになっているので、これの DNA が何かというものをやりました。それで理研に残されていたテラトーマのスライドグラスというのがあるんですけども、これを顕微鏡で見直して、左に書いてあるように Nature の図と同じ部分がないかっていうのを必死になって探したところ、同じスライドグラスがありました。で、これを切り出した残りのパラフィンブロックですね。切片を切るときにはパラフィンに埋めて切るんですけども、実はその前にホルマリンで固定してパラフィンに埋めて切ります。ですから、DNA はホルマリンでかなりダメージを受けているんですけれども、このパラフィンブロックから試料の部分を切り出して、DNA がダメージを受けているので、短い配列の PCR を detect したわけです。そうしたところ、このテラトーマは、Acr-GFP を持つと。それから、ES 細胞 FES1 やそれが混入したと思われる STAP 幹細胞、FI 幹細胞に固有の 3 番、8 番染色体の欠失を持つところが、なんと、検出、detect できました。それで、このテラトーマも FES1 由来の可能性が非常に高い。で、問題は、最初から最後まで若山さんが作った、STAP 細胞、STAP 幹細胞ってのが、1 回あって、それから、小保方さんが STAP 細胞とテラトーマを一人で作ったということがあるんですけども、問題はSTAP 細胞を作るときに 7 日間インキュベーターに入れているということなんですね。当時の若山研の研究室はこのような配置になっていまして、入り口は右下の矢印のところです。ここから矢印をつたっていきますと左の下側の部屋がありまして、この部屋は、えー、クリーンベンチとインキュベーターと蛍光顕微鏡があったという部屋です。それで、えーと、真ん中が普段使っている実験室で、左の上の方が若山さんが得意な技術である胚操作をする部屋。一番右が居室ですね。なっています。それで左の下の部屋は、顕微鏡を使う人やクリーンベンチを使う人がいる場合は人がいるんですけども、あまり人がいない時間も多い部屋なんです。で、ここにあるインキュベーターで ES 細胞が 7 日間培養されていたと。それで、夜中に誰が入れるかというのを調べたところ、聴き取り調査で、この鍵が部屋の外に置いてある証言がありまして、その鍵を使うと理研 CDB の中にいる、まぁ、どういう人がいたか知りませんけども、大勢の人が誰でも入れると夜中に。そうなると、非常に、我々は STAP 細胞が、あの、後で言いますけれども、過失で入った、ミスで入ったのか、誰かが故意に入れたかっていうのは判定できないという立場です。もし、誰かが入れたとしても、誰かを入れることは難しい。あの、特定することは難しい。STAP 細胞作成時は 7 日間インキュベーターに放置。インキュベーターのある部屋は人がいないことも多い。夜間に入ることが可能だった人は多い。で、ES 細胞を混入した目撃者はなし。直接というのは、例えば、えー、そこのシャーレに誰かの指紋がついていたとか、血が遺っていて血液型で判定、DNA 判定できたとか、そういう直接な証拠はありません。それから、まぁ、関係者のかなり多くの人に「あなたは ES 細胞を混入させましたか?」と非常に不躾的な質問をしましたけども、全員が否認しました。で、これだけあると、当然、誰が混入したか分からない。で、弁護士の先生にお聞きすると、故意か過失かっていうのは、誰が混入したかが分かってから、決める問題だということです。そういうことで、科学者のセンスからいうと、うーん、なんか ES 細胞が飛んできて混じるかなとか、ピペットの誤操作だったら入るかもしれないけれども、こんなの混じるかなっていう、そういう感覚はあるんですけども、やっぱりそういう感覚で判断してはいけないと思います。科学者というのはちゃんと証拠をもって判断しなければいけないので、そうなると証拠はないとしか言えないですね。そういうことで、誰が混入したか、故意か過失かは決定できないということになりました。(0:34:05)
次に、Chip-sec や RNA-sec に使ったサンプル、これは残存サンプルと公開データベース。載っているのを、あの、疑義を調べましたけども、上の表の赤字で書いてある部分、それから下の表で RNA-sec で何回か同じサンプルが出されたんですけども、これ、いろいろと違っています。いろいろ違っているけども、これは故意か過失かは分からないんですね。実は小保方さんというのは、前から、前の調査委員会で分かっているように、画像の資料の取り違いっていうのを何回もやっている。もの凄く何回もやっているんですね。顕微鏡写真を渡すときに違うものを渡してしまったとか。そういうことで、これが故意か過失かは、判定のしようがないということになりました。(0:35:05)
【細胞増殖度実験の捏造】
それで、捏造ですけども細胞の増殖率の測定というのが Article Fig.5c にあります。で、これはインターネットで上の黒丸と下の白丸が縦軸であっていないとか、横軸であっていないとか言われているやつなんですけども、小保方さんに聴き取り調査をしましたら、上の ES 細胞の曲線と 下の STAP 幹細胞の曲線は別の時に測りましたと。ですから、その、横がズレていても当然だということになりました。ところがですね、我々が疑ったのは、この実験記録は 3 日毎に点が書いてあるんですね。で、小保方さんの出勤の記録が、3 日毎に出勤していることがあわないと。あの、出勤できたはずがない。できたはずがある場所は、無理に考えると休日出勤考えると一箇所あるんですけども、2 回、別々の、全然別々の時期に聴き取り調査したとき、全然別々の時期を記憶で言ってましたけど、えー、その記憶にあわせると、海外出張なんかあって実験できなかったはずだと、それからもう一つ、この実験の記録は出して下さいと言いましたけれども、未だに出していなくて、記録がないようです。聴き取り調査では。で、もちろん実験ノートには全く書いてありません。それで、この数え方なんですけれども、培養するとコンフルエントって、一面に生えますね。それを剥がしてきてトリプシンなどでバラバラにして細胞の数を数えると。で、その一部を蒔いて、で、またコンフルエントになったら、バラバラにして数えるというのをやるんですけども、その操作を少なくとも全てはやっていなかったと聴き取りの調査で言いました。で、あの、これは、そういうことから 40 回植え継いでも論文に書いてあれば、それは捏造ではないんですけれども、縦軸に細胞の数をとって、横軸に測定した日にちを、あの、測定した時間間隔を書いてあれば、これは捏造と断定するしかないと。そういうことでこれは捏造にしました。(0:37:20)
【メチル化実験の捏造】
もう一つは、DNA メチル化の実験ですけれども、DNA メチル化の実験に関しては、皆さん
ご存じだと思いますけれども、C-D という配列になっているCですね、シトシンがメチル化、細胞内でメチル化を受けると、それがプロモーターの部位にあると、そこの下流の遺伝子はメチル化されたのが OFF、メチル化されてないのが ON になってる。そういうのが普通です。で、メチル化されているか、されないかを調べるためには、バイサルファイト、亜硫酸水素塩ですね。バイサルファイトで処理をしてやると、メチル化されてないのはウラシルに変わると、されているのは変わらない。ですから、メチル化されていない部分は、ウラシルというのは、これは、複製させると、チミンと読まれますから、相手方に A がきます。G ではなくて。そういうことでバイサルファイト処理とあと塩基配列を決めれば分かるだろうと。で、メチル化実験のデータが Article の Fig.2c に出てます。で、このデータというのは、実は、理研 CDB の、えー、我々、GRAS と省略して呼んでますけども、ゲノム資源解析ユニット、そこに保存されていました。この保存されていたデータが全部右側なんですけれども、これ、どう数えても、実は、あっ、この読み方ですけども、横軸がメチル化部位です。ですから、左の図は 11 箇所について調べた。実は右側は 12 箇所調べていて、12 箇所のうち、どれを 11 個をとったか分からないんです。それから縦軸に関しては、こういう DNA がありましたっていうのを、一々、例を並べてあるんですね。そういうことで、左の細胞は ES 細胞と Oct4-GFP+ これは、あの STAP 幹細胞だと思いますけども、初期化された細胞では、Oct4 という初期化された細胞で発現している遺伝子はほとんどメチル化されていないと。右側の分化した細胞ではほとんどメチル化されていると、これが結論なんですけれども、こんな真っ白のデータ、真っ黒のデータがオリジナルデータにないと。白、全部白か、一個黒っていうのが、18 例あっていいはずなんですけども、どう見ても 3 例しかないと。それから、全部黒っていうのは 17 例あっていいはずなんですけども、低品質を入れても多分 4 例ぐらいしかないと。で、これ、小保方さんに聴き取り調査をしたところ、最小のデータというのは、これはあくまでも小保方さんの発言ですけれども、こんな真っ白やこんな真っ黒じゃなかったと。ところが持ってったら、これでは論文に使えないと言われたので、どうも操作をしたようなことを聴き取り調査で言ったので、ここで、オリジナルデータとあわないということとあわせて、これは不正認定といたしました。捏造か改ざんかっていうのは、えー、随分、調査委員会の中では悩んだんですけれども、一応、無いデータを真っ黒のやつが無いのにたくさん付け加えたとか、真っ白のが無いのにたくさんつけ加えたということで、一応、捏造ということにしてあります。(0:41:02)
【まとめ】
えー、最後。STAP 論文、STAP 問題とは何だったのか。えー、今回の科学的検証で分かったことは、ES 細胞が示された。したがって、論文の主たる主張が否定された。ということです。で、これは、あの、この前のやつは、理研の記者会見は、追試ができるかどうかっていうものでしたけども、今回は STAP 論文に書かれた実験がどうだったかっていうことです。ですから、根本的に違う話で、STAP 論文に載っている実験データを残存試料を使って解析したところ、それは否定されたと。それから、小保方氏の実験記録がほとんどない。ですから、提出して下さいと言っても、未だに提出されていません。で、無い可能性がかなりあるのではないかと我々は思っていますけども、正確に言えば提出されないです。それから論文の図表の間違いが非常に多い。で、そういうことでオリジナルデータが無いので、我々の検証には非常に苦労しましたけれども、オリジナルデータないし、いろんな証拠から、我々今回 2 つの図に関して捏造、それから、前回の調査委員会で恐らく一つ捏造、一つ改ざんだったと思いますけれども、それをあわせると、図表の間違いが非常に多いんですけれども、その一部では捏造または改ざんということです。
で、これが何故起こったかと。で、我々は検証もしているわけですけれども、今後こういうことが起きないようにということも十分頭にありますので、それを考えると、小保方氏を指導する立場にある研究者が、この 2 つの上記 1、2 の可能性を感知できたはずなんだけれども、実際は検討をしなかったことが、非常にたくさんあると。そういうことを今後の教訓にしたいと思います。
少し長くなったかもしれませんけれども、発表は以上です。
加賀屋:桂先生、ありがとうございました。(0:43:25)