今回は、より詳細にYouTube動画で提示された内容を元に検証する。

【加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル】

『奈良林直×加藤康子◆放射性廃棄物の無害化に成功 Part2 いったいどういう原理なの?ご質問に詳しくお答えします!』


§0. 前回のダイジェスト 0:00〜0:58

(省略)



§1. 奈良林氏の業績

加藤康子:今回はパート2を撮ることになりました。皆さんが疑問に思っていること、多かった質問を中心に今日は先生に質問をさせていただきます。まず先生が正真正銘のの科学者として、大変、この原子力学界ではご評価を頂いている所を見せて頂けますか?

<アワードの盾>

奈良林:2018年は私が Oustanding、「傑出して世界で活躍している教授」というアワードを頂きました。

加藤:ISOEという組織から頂いているんですね。このISOEという組織は職業被曝情報システム…

奈良林:実は世界で400基を超える原子力発電所、事故トラブル情報と働いている人たちの放射線被曝、職業被曝、宇宙飛行士も含めて参加します。NASAも参加します。働いている作業員の人たちを被曝させない、その目的に活動している組織です。

加藤:なるほど、これ何人ぐらい受賞されるんですか?

奈良林:毎年1人です。

加藤:毎年の1人に選ばれたんですね。では本題の質問に入らせて頂きます。

§2. ミュオンの基礎知識

視聴者からのコメントからの抜粋「ミュオンはどうやって発生するの?」
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奈良林:宇宙からは高エネルギーのプロトン(陽子)、こういうものがたくさん降り注いでいます。太陽からも降ってますし、宇宙空間で超新星爆発とか、いろんな現象が起きますけど、高エネルギーの宇宙船が宇宙では飛び交っている。地球に降り注いでいる絵を描いたんですけども、陽子が大気圏に突入しますと、待機の中で多い酸素や窒素に衝突します。そうするとπ中間子ができまして、π中間子は素粒子の1つなんです。ところが極めて短い時間にミュオンに変わるんです。ですから、世界はミュオンのシャワーの中にいるということです。ミュオンは人体には全く影響がありません。ある特殊な条件で非常に特殊な作用を起こすようになります。
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奈良林:これは前回お話しした、福島第一原発の事故の2号機と5号機で、ミュオンによってレントゲン写真が撮れたということを示したものですけども、非常に重たい元素に対してミュオンは100%、原子番号90以上のものは100%の確率で反応することが分かっています。
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奈良林:今度は原子レベルでお話ししますと、原子核があります。ミュオンはエネルギーをずっと落としていくと、突っ込んでくるような速いやつじゃなくて、少しスピードを落としてやると、原子に取り囲まれて原子核の周りをぐるぐる回りだします。陽子の9分の1の重さで質量が電子の207倍あるので非常に重たい負の電荷、電子を持った素粒子ですね、非常に原子核に近いところを高速でぐるぐる回ります。この状態がミュオン励起ニュークライドと言って、非常に活性化、励起された状態のミュオンということになります。このミュオンが取りついた原子核は非常に強い引力、相互にグッと引き寄せる力があったり、あるいは核融合を起こすこともあります。これはもう加速器を使った研究で存在が確認されています。それから重たい元素は核分裂するので、ミュオンによって核分裂反応が起きるということになります。

§3. 「ミュオンは加熱すると増殖する」根拠の論文(疑惑)

加藤:多くの方から加速器を使うんですか? という質問が、今回の実験でありましたけど、加速器を使わないのであれば「ミュオンは加熱すると増殖する」根拠の論文が見当たらないんですけれども。

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奈良林:今日は説明の資料をご用意いたしました。ミュオンというのは空から降り注いでくるのは1秒間に手のひらに1粒ぐらいなんですね。これではとても莫大な量の放射性物質を処理できません。ところが加熱するとミュオンが増えるのは、例えば、このオックスフォードプレスから出版された正規の査読を経た論文に、こういう現象について書かれています。この人たちはレーザービームをターゲットに照射したと、加熱したことになります。そうするとミュオンが増えだしましたと論文の中で書いてあります。それから先ほどの核融合ですけども、核融合反応がミュオンで起こると加熱されますから核融合ではミュオンが湧き出してくると、つまり、ミュオン触媒核融合と言われています。ですから加熱するとミュオンが増えるのは、この論文もそうですし、核融合を研究されている、加速器を使った研究をされている方々にとっては常識なわけです。

加藤:ミュオンの研究は日本が世界でも特に進んでいる?

奈良林:内閣府の大きな国の科学プロジェクトに対して、集中投資のお金をつけて研究をします。加速器を使ったミュオンの研究は断トツに日本が今進んでいる。

加藤:嬉しいですね、その話。

奈良林:ところが実用面でどうかっていうと、実際、世の中の役に立つところまで持っていかなきゃいけない。そこが非常に難しくて壁があって、そこを乗り越えなきゃいけないっていうのが、実際私が3年も丸々この研究に没頭しましてそのくらいの大変さはあります。
【oTakeの見解】
 奈良林氏は、負ミューオンが増やせるようなことを述べていますが、明らかに誤り(嘘)です。
 奈良林氏が「このオックスフォードプレスから出版された正規の査読を経た論文」として挙げている技術論文:“Enhancement of muonium emission rate from silica aerogel with a laser-ablated surface”で、その要約 Abstractが以下です。
Abstract
Emission of muonium (⁠⁠μ+,e-) atoms from a laser-processed aerogel surface into vacuum was studied for the first time. Laser ablation was used to create hole-like regions with diameter of about 270 m in a triangular pattern with hole separation in the range of 300–500 m. The emission probability for the laser-processed aerogel sample is at least eight times higher than for a uniform one.

(和訳)
レーザー加工されたエアロゲル表面から真空中へのミューオニウム(μ+,e-⁠)原子の放出が、初めて研究された。レーザーアブレーションによって、直径およそ270 μmの穴状構造を三角形パターンで形成し、穴の間隔は300〜500 μmの範囲であった。このレーザー加工エアロゲル試料の放出確率は、均一な(未加工の)試料と比べて少なくとも8倍高いことがわかった。



“Enhancement of muonium emission rate from silica aerogel with a laser-ablated surface” G. A. Beer, Y. Fujiwara, S. Hirota, K. Ishida, M. Iwasaki, S. Kanda, H. Kawai, N. Kawamura, R. Kitamura, S. Lee … Show more

Author Notes
Progress of Theoretical and Experimental Physics, Volume 2014, Issue 9, September 2014, 091C01, https://doi.org/10.1093/ptep/ptu116
Published: 12 September 2014

「ミューオニウム(μ+,e-⁠⁠)原子の放出」で、「放出確率は、均一な(未加工の)試料と比べて少なくとも8倍高い」という内容を、「負ミューオンμ-を増殖」に内容を誤読? 改ざん?して根拠にしています。
 この論文では、元々物質中に存在しているミューオニウムを高効率に取り出したというものであり、負ミューオンを取り出したわけでもなく、増殖させたわけではありません。
 これを基本原理の一つとしているのであれば、正ミューオンでは核変換は起きないので、以降の話は全て、嘘デタラメであるということになります。

§4. 放射性廃棄物の放射線の減衰(疑惑)

加藤:放射性廃棄物の無害化ってタイトルがすごくインパクトがあったために多くの質問がですね、なぜ放射能を出さなくなるのか? ゼロになるとはどういうこと? っていう質問がたくさんありました。

奈良林:実はですね、その証拠が私の手元にありましてこれなんですけど、クッキー/ビスケットと名前をつけてます。実はこれは酸化鉛を中心とする物質の中に(放射性物質を)均一に混ぜて、テルミット反応を点火して反応しました。今これ私素手で持ってますけど、これは単に鉛とマグネシウム(岩石)ですから、何の問題もない。
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奈良林:今グラフがありますけど反応前がCPMにして10万CPMぐらいあるわけです。CPMがミュオン反応するといきなり3桁近く下がります。あとは15時間の半減期に従って降りてくる。15時間の半減期を持ったソディウムナトリウム24が一番半減期が長い。
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奈良林:反応前に例えば15000CPMだったとします。で、反応させます。最初は熱いですから冷えたところで30分後に測りました。そしたら600CPMに減ってるんです。今度7日後ですけども、25CPMでこれもバックグラウンドレベル、バックグラウンドと言って、空から降ってくる宇宙線もカウントしているのでバックグラウンドというんですけど、もう放射能はなくなっているわけです。だから、私こうやって手に持っていられる。

【oTakeの見解】
奈良林氏は「今グラフがありますけど反応前がCPMにして10万CPMぐらいある」と動画の中では言っていますが、その提示されたグラフには10万CPMではなく、1万を少し超えたあたりにプロットがあります。
そして、氏は「反応前に例えば15000CPMだったとします」と言っています。
明らかにグラフと説明に齟齬があります。


①そもそも、CPMとは何か
 放射線測定で使われる CPM とは、次のような単位(または単位に準じた“計数値”)を意味します。1分間に放射線検出器が数えた放射線の粒子(放射線イベント)の数を表す単位です。

CPM = Counts Per Minute(カウント毎分)

詳細解説
項目内容
意味検出器が1分間に記録した放射線の「検出回数」
種類放射線の種類を区別しない(α線・β線・γ線などの合計)
物理量放射線の“強さ”を直接示すものではなく、
「検出器がどれだけ反応したか」を示す計数値
使用機器主にガイガーカウンター(GM管)やシンチレーションカウンターなど
単位変換通常、放射線量率(μSv/hなど)に変換するには、機器固有の「換算係数」が必要

②CPMと他単位の関係(おおよその目安)
これは機器や放射線種によって異なりますが、よくある例として
機器例測定対象おおよその換算
一般的なGM管(γ線) γ線100 CPM ≈ 1 μSv/h
β線に敏感なGM管β+γ 300 CPM ≈ 1 μSv/h
高感度シンチレーション式 γ線2000 CPM ≈ 1 μSv/h
*注意:この換算は標準化されておらず、機器・検出器・エネルギー依存性で大きく異なります。同じ「100 CPM」でも、別の機器ではまったく違う線量(μSv/h)に相当します。

③15,000CPMという数値
 奈良林氏は10万CPM、15,000CPM (カウント毎分)という話をしています。 低い値の15,000CPMで考察していきます。
15,000 CPMという数値は、一見すると「かなり高い値」です。ただし、その“意味”は使用している放射線測定器の種類と校正条件によって大きく変わるので注意が必要です。以下に例を示します。
  • RADEX RD1503+:100 CPM ≈ 1 μSv/h → 15,000 CPM ≈ 150 μSv/h
  • Polimaster PM1401(NaI検出器):2,000 CPM ≈ 1 μSv/h → 15,000 CPM ≈ 7.5 μSv/h
  • SOEKS Quantum(β+γ対応):300 CPM ≈ 1 μSv/h → 15,000 CPM ≈ 50 μSv/h
*放射線の実際の「線量」(μSv/h)に変換するには、機器の感度(換算係数)を知る必要があります。

放射線防護の観点から見た目安
環境線量率(μSv/h)参考レベル
自然放射線レベル0.05〜0.2 μSv/普通の環境
放射線管理区域の設定基準約 1.3 μSv/h(1 mSv/年相当)長時間滞在注意
医療用X線室(稼働中近傍)数〜数十 μSv/h 管理下環境
緊急時被ばく管理レベル数百 μSv/h〜一時的滞在可
150 μSv/h 相当高めの警戒レベル(長時間は不適)

結論として、15,000 CPM は、測定機器によって変わります(放射線源の種類(β線主体かγ線主体か)や距離によっても大きく変化します。)が、 数 μSv/h 〜 数百 μSv/h に相当し、共通して言えることは、自然環境の100〜3000倍程度の放射線レベルであり、通常環境ではありえないほど高い値です。このレベルの放射線場では、長時間の滞在は好ましありません。これは「測定ミスでなければ、放射線源が近くにある」レベルとは言えます。
15,000 CPMがこの程度なので、10万CPMがどんなものか推して知るべしというところです。

④アメリシウムで15,000CPMが検出された場合の分量
 ここで重要なのは、CPMは「放射線の計数値」であり、実際の放射能量(Bq)や質量(g) に変換するには、以下の情報を用いて換算する必要があります。

前提
放射性廃棄物に含まれる Am(アメリシウム) として、代表的なのは Am-241 です。
  • 半減期:432.2 年
  • 壊変:α崩壊(主に 5.486 MeV)
  • 1 Bq = 1 崩壊/秒
  • 1 g の Am-241 の放射能:
    A = N・ln 2 / T(1/2)

    計算すると
    T(1/2) = 432.2 years = 432.2 x 365 x 24 x 3600 = 1.36 x 10^10 s
    N = 6.022 x 10^23 / 241 = 2.50 x 10^21 atoms/g
    A = 2.50 x 10^21 x 0.693 / (1.36 x 10^10) = 1.27 x 10^11 Bq/g

    1 g の Am-241 の放射能
    1 g = 約1.3 × 10¹¹ Bq = 約130

    GM計数管(またはシンチレーション検出器)での検出効率
     Am-241 は α線主体なので、空気中ではほとんど検出されません。
    測定条件により大きく異なりますが、
    検出条件α線の検出効率備考
    開放型α検出器(試料密着)30–50% 放射線測定用試料盤
    通常のGM管(アルミ窓あり) 0.1–1% ほとんど通らない
    厚い窓付きGM管 ≪0.01% α線検出ほぼ不能

仮定して計算(例)
例えば、α線を50%検出できる条件(密着型αカウンタ)で、
15000 CPM = 15000 / 60 = 250 CPS

検出効率50%なら、実際の放射能は
A = 250 / 0.5 = 500 Bq

Am-241 の放射能と質量の関係
1 g = 1.27×10¹¹ Bq

よって、
m = 500 / (1.27 x10^11) = 3.9 x 10^-9 g = 3.9 ng

結論として、Am-241で15000 CPM(α線を半分検出できる条件)なら、約4ナノグラム(3.9×10⁻⁹ g)程度が反応したことになります。ただし、もし測定器がGM管(α線をほとんど拾わないタイプ)であれば、実際の量はこれより 100倍以上多い(0.4~数μg) 可能性がありますね。

⑤15,000CPMが600CPMになった場合の残量、減少
崩壊による放射能減少は 指数関数的減衰 で表されます。

前提
観測値の変化:
15000 CPM - 600 CPM

これは、
600/15000 = 0.04
つまり 4% 残存、96% 減少 です。

補足:半減期との関係
もしこの減少が自然崩壊によるものなら、残存率 4% に達するまでの経過時間 t は、

N/N0 = 0.04 =(1/2)^(t/T(1/2))
→ t = T(1/2) x ln(0.04) / ln(0.5) = T(1/2) x 4.64

つまり、半減期の約4.6倍 経過すると、放射能は4%(つまり約1/25)になります。

Am-241の場合
半減期 T(1/2) = 432.2 年 なので
t = 432.2 x 4.64 ≒ 2000 年

結論、残存率:4%(→96%崩壊)で、 半減期との関係は4.6倍経過。Am-241 なら 約2000年でこの変化が起こるということになります。
もしこの変化(15000CPM→600CPM)が「短期間(30分程度)」で起きたのなら、それは自然崩壊ではなく、何らかの核変換・外部作用(または測定条件の変化)があったと考えるべきではありますが…

⑥ ⑤のときの放出エネルギーはいくらか(算出)
 では、15000 CPM 唐 600 CPM への減少(96 %崩壊)によって放出されるエネルギーを、アメリシウム(Am-241)に対して算出してみました。

前提条件
項目
同位体Am-241
崩壊形式α崩壊(主に)
α粒子エネルギー約 5.5 MeV / 崩壊
1 MeV 1.602 × 10⁻¹³ J
15000 CPM 15000 / 60 = 250 Bq(崩壊/秒)
600 CPM 600 / 60 = 10 Bq(崩壊/秒)

したがって、96 %減衰したということは、もともと250 Bqあったのが10 Bqになった、つまり 240 Bq 分の核種が崩壊したということになります。

放出エネルギー計算(1 秒あたり)
E(rate) = 240 decays/s x 5.5 MeV/decay x 1.602 x 10^(-13) J/MeV
E(rate) ≒ 240 x 5.5 x 1.602 x 10^(-13) = 2.1 x 10^(-10) J/s

全体の崩壊分の総エネルギー
Am-241の半減期 = 432 年なので、96 %崩壊 → 4.6 半減期 → 約 2000 年。

2000 年間にわたりこのエネルギーが放出されるということになります。

E(total) = 2.1 x 10^(-10) J/s x 2000年 x 3.15 x 10^7 s/年
E(total) ≒ 1.3 x 10^1 J = 13 J

結論
 15000 CPM (250 Bq) から600 CPM (10 Bq) となるようなAm-241試料が崩壊で96 %減少した場合、放出される総エネルギーは約 13 J(電池1秒分にも満たない)です。つまり、これほど小さな試料では、放出エネルギーはごくわずかで、加熱や融解などのマクロな効果は一切起こらないということになります。「30分程度でこれだけ減衰した」という主張があるなら、それは放射能の崩壊ではなく測定異常または別現象であると断言できます。
 また、奈良林氏の主張によれば、「鉛等が沸騰した」と言っていますが、この程度の熱量では、鉛等は沸騰しません。そもそものCPM測定や現象観察に誤りがある可能性が濃厚です。
次に一般的放射性廃棄物のCPMはいくらかを検証します。

⑦ 一般的な放射性廃棄物のCPMはそもそもいくら程度なのか?
「放射性廃棄物のCPM(Counts Per Minute)」は、測定条件や試料形状、検出器の種類で大きく異なりますが、代表的な目安を以下に整理します。

1. CPMの意味再確認
  • CPM(Counts Per Minute) は「1分間に検出器が放射線を何回検出したか」を示す単位。
  • 放射能の絶対量(Bq)とは違い、測定効率(検出器の感度)に依存します。
    (例:1000 CPMでも、検出器が10%しか拾えていなければ 167 Bq)

2. 一般的な放射能レベルの目安(GM管測定)
区分放射能レベル(概算)CPMの目安備考
自然放射線レベル約 0.1 µSv/h 20〜60 CPM 通常の環境放射線(ラドン・宇宙線など)
汚染なしの物体〜0.2 µSv/h 〜100 CPM 食品・日用品など
軽度汚染物 0.5〜5 µSv/h 数百〜数千 CPM 作業衣、手袋など(要管理)
低レベル放射性廃棄物(LLW)数百 Bq/g 以下数千〜数万 CPM 原子力施設の金属片、ろ過材など
中レベル放射性廃棄物(ILW) 10⁶〜10⁹ Bq/m³ 程度数万〜数百万 CPM 核燃料施設のスラッジなど
高レベル放射性廃棄物(HLW) 10⁹ Bq/m³ 以上数百万 CPM以上(測定困難)再処理廃液・使用済み燃料

3. 15000 CPM という値の位置づけ
15000 CPM ≒ 数千〜数万 CPM
これは 「低レベル放射性廃棄物(LLW)」の範囲 に相当しますが、原子炉周辺の金属くず、被覆管片、汚染布などに見られる程度のものです。通常のGM管では十分に検出可能で、遮蔽なしでは安全基準を超える場合もありますね。

4. 規制との比較(日本)
区分放射能濃度基準備考
規制除外レベル(廃棄可)100 Bq/kg 以下これ以下なら一般廃棄可
管理区域レベル数千 Bq/kg 以上放射線管理が必要
15000 CPM(仮に検出効率10%)約2500 Bq程度=管理区域相当

最終結論
 奈良林氏が純粋な〜gを用いたのであれば、奈良林氏の主張を(発生熱量と温度から)検証する Part 1で示した通り、膨大なエネルギーが発生するのだが、本検証の図表から算出し、Amの総量を算出し、それを元に発生するエネルギーを求めた結果、奈良林氏の試験試料は、低レベル放射性廃棄物(LLW)程度のものであり、また、「鉛が沸騰する」かのように発言をしていたが、実験試料ではそのような沸騰が起きるほどのエネルギーは発生せず、データと発言に整合性が見られない。
 以上のことにより、奈良林氏のデータや発言は科学的にかなり信憑性に欠けるものと結論づけられる。

§5. ミューオンによる放射性廃棄物の無害化の実装(疑惑)

加藤:じゃあ、これを実際世の為、人の為に社会実装して役立てていこうと、どうやって福島第一原発のデブリの無害化をしていくのか、もうちょっと詳しく特許に引っかからない範囲でご説明頂けますか?
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奈良林:こちら、右側の青い四角の中がcrusherと書いてありますけど、デブリを砕く装置。その後にミュオンのリアクターがあって、あと空気を綺麗にする装置がついています。あとこの中でデブリを切断したりするとたくさん放射性物質出てきますので、それを私の開発した空気を綺麗にする装置がもう既に開発済みでこれを使って作業エリアの放射性塵埃を減らします。それに加えてデブリの切断作業、取り出し作業が始まるので、右側の青い箱の中をしっかりしなきゃいけないわけです。
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奈良林:実際にやるとこのドラム缶の中にミュオンリアクターが入ってまして、あと空気を綺麗にするシステムがあるんですけど、これにさらに空気を綺麗にする強力な私が開発したやつを接続します。ミュオンが反応してるところはこうやって鉄が加熱されて赤くなって、これがゆっくりと移動してくるということになります。
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奈良林:これが私が開発した Air Purification System。空気を綺麗にする装置です。鉛というのは放射能はないけど有害だから人体に入らないようにしなきゃいけないので、そのためにこういう設備が必要。これはもう既に開発済み、あと大変なのはですね、
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奈良林:取り出したデブリを原子炉の中でへばりついてるのを引っ剥がして、あるいは床に堆積したものを回収して、このレールと台車で、補助建屋の中のミュオンリアクターまで持ってきて砕いてパウダーにして混ぜる。このシステムをちゃんと作らなきゃいけないんです。
現在、福島第一で取り出されているデブリは0.7g、2回目が0.1g、足して0.8g。今、私の計画では1回に5kg取り出す。5kgで1日2回、8時間作動、年間で300日作動させると、計算上は15年で約1000tぐらい取り出せることになります。ですからこのシステムをちゃんとやれば880tのデブリは15年間で取り去れる。そして無害化することができるということになります。ただ壮大なシステムになるので、システム開発をしっかりしなきゃいけない。サイエンスから今度はテクノロジー、エンジニアリングに舞台が変わる。

加藤:よく聞くのは結局作業が遅々として進まない、その理由に産業用ロボットが途中で動かなくなってしまう中で放射能の影響でね、こういう話をよく聞くんですけど、このシステムでは大丈夫なんですか?

奈良林:今ですね、福島第一原子力発電所の中はドローンが飛んでます。ドローンが飛んでデブリの堆積具合を撮影、短期間なら大丈夫なんです。それからCCDカメラは比較的放射線に強い。弱いのは半導体、例えばCPUですね。微細加工されていて、これが放射線ダメージが非常に出やすいんです。
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奈良林:台車型のロボットにして、先端をパワーショベルにしたり、ウォータジェットで切断したり、粉はバキュームで吸うという、台車を作ろうと思っています。ただし、ロボットのアームの中にCPUを入れないで、半導体を入れないで、外までワイヤーで引いてくる。外側で放射線の低いレベルになっている所でCPUを作動させるという仕組みです。

【oTakeの見解】
 奈良林氏は「ドラム缶の中にミュオンリアクターが入ってまして、あと空気を綺麗にするシステム」を作ったというが、

①そもそもミュオンの増殖プロセスが嘘デタラメであり、大量のミュオンは得られない。

②アメリシウムAmの実験結果として、図表を出しているが、仮に①において、大量のミュオンが得られたとして、放射性廃棄物は、低レベル放射性廃棄物 LLW(数百 Bq/g 以下)、中レベル放射性廃棄物 ILW(10⁶〜10⁹ Bq/m³ 程度)、高レベル放射性廃棄物 HLW (10⁹ Bq/m³ 以上)があるのであり、どれを対象にするかによって、状況が大きく異なる。
 低レベル放射性廃棄物を扱うのであれば安全上の問題はクリアできるだろうが、ナノグラム単位での扱いでしか試されていない。また、放射性廃棄物はアメリシウムだけでなく、セシウム、ストロンチウムなど複合的に存在しているのであり、その特性も異なる。また、中高レベル放射性廃棄物を扱い短時間で大量にミュオンを照射し核変換するとなると、TNT爆薬2トン級の爆発(米国の連邦ビルの爆破事件並)が起き、「空気を綺麗に〜」と言っているほど安易なものではない。排気熱により、空気を綺麗にすると言っている装置ごと、瞬時に爆散する。

 まず、ミュオンの確保というところから極めて疑わしい点があり、また、その実験データも疑わしい。そして、核物理的な観点から放射性廃棄物に装置が耐えられず、実装を試みる前の段階でこれらが嘘であることが明らかであると言える。

§6. 今後の予定?(皮算用)


加藤:先生ね、使用済み核燃料の再処理工場、ここで抽出された高レベル廃棄物はこれはどうやって無害化する予定ですか?
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奈良林:この周期表見えますかね。一番下の赤丸のところがウランやアメリシウム、重たい元素で放射線をいっぱい出す放射能が強い物質になります。六ヶ所の再処理工場はウランをリサイクルするために取り去っちゃう。三大放射線源がこのアメリシウム、セシウム、ストロンチウム。これも半減期が長いのがナン万年というものもあるんですけど、これは再利用しちゃいますので無くなります。だから、福島第一より六ヶ所の再処理の方がミュオンによって無害化するのが簡単なんです。ただ量がすごく多いんです。

加藤:あとガラス固化、ガラス工場も伺って見せて頂いたんですけれど、そうすると、その工程プロセスにこれが応用されるとどうなりますか?

奈良林:一つはもうガラス固化体になっているものはガラスごと砕く、パウダーになりますから、これはやろうと思えばできます。もう一つはガラス固化体にする前に溶液の形で取り出して、そしてミュオンで反応させるんですけど、その溶液で取り出したものを固体のパウダーにする。この乾燥させる所が非常に技術的に難しい。だからそこんところは技術的な課題として残ります。それからセシウムとか、ストロンチウムは、まだミュオンで消せる確認がとれていません。今アメリカの共同研究者たちに頼んでいる。ストロンチウムは体内に入ってしまうとカルシウムと同じ系列にありますから、骨に入ってがんの原因になるので、まずちゃんとしっかりした、ストロンチウムが漏れないような装置を作ってからにしましょうと言っていて、とりあえずセシウムは処理できますか? と今問い合わせてます。コバルト60(もっと軽い元素)が処理できているので、「(セシウムも)なんとかいくんじゃないか」と言っているんですけど、我々原子炉物理、原子核物理の専門家としては非常に難しい。重たい元素(アクチノイド系列)とか、あるいは核融合の重水やトリチウム、軽いものと重たいものは1粒あたりのエネルギーが大きいけど、このあたり(Na, Mg, Pb)はエネルギーが少なくて、ちょうどこのM形になっていて真ん中は核分裂のエネルギーが少ないので非常に難しいんですね。テルミット反応で加熱しますから、できるかもしれないという期待は持っています。これはちょっと試験をやってみて確認ということになります。そうするとセシウムとストロンチウムは30年の半減期なので今まで安全な状態になるまで7000年かかると言ったものが120年になります。ですから、専門家の皆さん方はアメリシウムを消しただけどもすごいですよ。7000年が120年に短縮される。

§7. おわりに

加藤:今、高市早苗さんで話題になっている核融合。 2030年代には核融合を成功させたいと、高市先生仰ってましたが、ミュオンで核融合、可能性広がりますか?

奈良林:そうですね、先日、AI核融合フォーラムが議員会館で開催されまして、大勢の方々が参加されました。その時に高市早苗さんが30分間プレゼンをされました。その後専門家の方々が今の現状を詳しく説明頂いたのですけど、材料の問題がある。炉壁が非常に高エネルギーの中性子で劣化しやすいので、材料を開発する必要がありますとかですね、そういうことを考えるとミュオンを使って、加速器じゃなくて増倍して、直接核融合「ミュオン触媒核融合」が起こせれば、もう一つの核融合のやり方ということになります。

加藤:夢のあるお話で本当にありがとうございます。あまりお話をしすぎるともう公開してる部分が特許の対象にならないということで、私はヒヤヒヤしながら…

奈良林:コメントの中にも特許の事を心配されてるのがよく分かりましたね。心配して頂いて大変ありがたいですね。だから、ある程度今お話しできるような学会で既に公表した話を中心に紹介しました。これだけ50数万人の方々から応援いただくと、私も本当に頑張ろうという気になります。本当に良いですね。

加藤:素晴らしいですよね。皆さんのね…

奈良林:これだけ暖かい声援を頂けるのは私一番嬉しかったのは福島にお住まいの方で、事故の影響を受けられた方々が今までなかなか廃炉作業も進まないし、汚染も除去できない中で、「このYouTubeを見て光が見えました」と仰ってるコメントを拝見しまして、本当に嬉しく思います。ちゃんと福島を幸せにしなきゃいけないと本当に心から思っていますので、何とか頑張りたいと思います。

加藤:この研究の成果が今アメリカの原子力学会へ、論文をお出しになっているということなので、ぜひ朗報を期待いたしております。

奈良林:また、今回パート2のビデオができることで、また、この大勢の方に見て頂いて、応援していただければと思います。

加藤:先生、ありがとうございました。また色々と教えてください。



パート1 未公開シーン 18:12〜

(省略)